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丹下健三の最高傑作との呼び声もある国立代々木競技場。1964年の東京オリンピックの開催に合わせて、たった18カ月で建設された。世界でも珍しい吊り屋根式の第一体育館と、円錐形の天井が見事な第二体育館がある。竣工から半世紀以上経ってもなお圧倒される美しさだ。夏は夕暮れに染まり、曲線美が強調される。
2020年、メガロポリスの次に来るもの
Photo TONY TANIUCHI Text Fumio Ogawa
1940→1964→2020
1940年がよかったのか、1964年がよかったのか。
 2020年に二度目のオリンピック開催が決定した東京にとって、最初の大会開催は、当初、1940年になるはずだった。
 きっかけは1930年、永田秀次郎が東京市長(当時)に就任したときといわれる。23年に、190万人が被災、10万5000人が死亡あるいは行方不明となった関東大震災が起きたが、その復興がとりあえず成し遂げられたと政府が喧伝するようになった頃だ。
 並行して、日本は国際協調時代に入り、欧米の国々と台頭の立場に立ちたいという願いも強かった。
 国内でのさまざまな意見を調整すると同時に、各国の国際オリンピック委員に積極的な根回しをした結果、日本は、競合していたイタリアのベニト・ムソリーニ首相が日本支持に方針を変更して辞退するなどの協力をとりつけることに成功。果たして、ナチス・ドイツによる圧倒的な演出力が世界中を驚かせたベルリン大会が開催された36年8月1日に、その次の第12回開催地は東京という発表がなされたのだった。

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