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(左)高度な紋様技術を追求する紫紘の西陣織を支える職人。
「伊太郎さんの厳しい要求に応えたからこそ、技術が磨かれた」と言う。

(中央)伊太郎氏は当初、人生の終わりを80歳として10年で『源氏物語錦織絵巻』を完成させる予定だったという。
しかし制作はさらに20年以上続き、寿命もその分延びたのである。

(右)複雑を極める紋様には、多種多彩な色の糸を要する。
伊太郎氏は例えば御簾(みす)から光が差し込む様を描くのに金箔糸を織り込むなど、
絵画を超える緻密な表現にこだわった。
 もう一つ、恋愛の必需品である扇は平安時代、涼を取るというより、女性が顔を隠したり、歌を書いたりする時に使われた。
 大西京扇堂の9代目・大西庄兵衛氏によると、扇はもともと記録用紙代わりに使われた経木状の木簡をとじ合わせたものから生まれたとか。その後、宮中の女性たちが常に檜扇を手にするようになり、やがて蝙蝠という紙扇が作られるようになったそうだ。店内を見渡すと、源氏物語よろしく手紙として使えそうな白扇や、源氏物語の場面が描かれたあでやかな扇などがそろう。
 平安の昔、貴い女性は顔を見せないのがたしなみ。源氏物語では夕霧が「女性よりも上手に美しく扇で顔を隠す」と称賛される、なんて場面がある。また夕顔が香をたきしめた白い扇に歌を書いて光源氏に贈るとか、薫扇に朝顔を載せて浮舟に贈るなど、扇は多くの場面で恋愛の重要な役割を担っている。扇には、恋に燃える激しい情熱が秘められていたのである。
「紫式部と恋」をめぐる京都の旅を終えて、改めて思う。源氏物語の魅力をもっともっと深く知りたいと。

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