

個人海外投資に必要な国際税務の基礎知識 第24回
永峰 潤 公認会計士・税理士
183日ルールについて
はじめに
私がよく行くゴルフ場のクラブハウスで、本人は海外移住したと言われているのに定期的に見かける人が複数人おられます。彼らは香港、シンガポールに在住(移住)した方々でした。皆さん一様に日本の税金について気にしています。が、異口同音に自分たちは183日以上、海外に住んでいるから日本で所得税がかからないと言われます(時折、相続税もかからないと言われる方もおられます)。今回は183日ルール(所得税の短期滞在者免税)について説明しましょう。
183日ルールとは何か
このルールに関する典型的な勘違いは次のようなことでしょう。「私は年の大半(183日以上)を海外で暮らしているから日本で税金はかからない」。以下、この勘違いについて説明します。
海外に居住した日本人が関係する可能性のある日本の税金のうち、ご本人が最も気になるのはご自身の所得税と資産税(相続税および贈与税)でしょう。
183日ルールとは給与所得に関係する国際的なルール(租税条約)のことを指しています。このルールは日本の居住者である会社員が海外出張をして海外の勤務により受け取った給与は、海外出張期間合計が183日以下で他の一定の条件も満たした場合に、現地では給与所得に対して課税しないというルールです(日星租税条約第15条、日本香港租税協定第14条等)。
183日の期間をどの期間内で定めるかはシンガポールだと「継続する12カ月の期間内」という取り決めをしています。
私がよく行くゴルフ場のクラブハウスで、本人は海外移住したと言われているのに定期的に見かける人が複数人おられます。彼らは香港、シンガポールに在住(移住)した方々でした。皆さん一様に日本の税金について気にしています。が、異口同音に自分たちは183日以上、海外に住んでいるから日本で所得税がかからないと言われます(時折、相続税もかからないと言われる方もおられます)。今回は183日ルール(所得税の短期滞在者免税)について説明しましょう。
183日ルールとは何か
このルールに関する典型的な勘違いは次のようなことでしょう。「私は年の大半(183日以上)を海外で暮らしているから日本で税金はかからない」。以下、この勘違いについて説明します。
海外に居住した日本人が関係する可能性のある日本の税金のうち、ご本人が最も気になるのはご自身の所得税と資産税(相続税および贈与税)でしょう。
183日ルールとは給与所得に関係する国際的なルール(租税条約)のことを指しています。このルールは日本の居住者である会社員が海外出張をして海外の勤務により受け取った給与は、海外出張期間合計が183日以下で他の一定の条件も満たした場合に、現地では給与所得に対して課税しないというルールです(日星租税条約第15条、日本香港租税協定第14条等)。
183日の期間をどの期間内で定めるかはシンガポールだと「継続する12カ月の期間内」という取り決めをしています。