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個人海外投資に必要な国際税務の基礎知識 第19回
永峰 潤 公認会計士・税理士
国際結婚と税金(承前)
はじめに
 前回のコラムでは海外留学中の子女や国際結婚した子供夫婦に現金を送った場合の税金について取り上げました。今回はそれ以外のケースを順次説明していきます。

さまざまなケース
②ご自身も海外移住する
 最近はご自身も海外移住する方もおられます。もっとも気を付けなければならないのは出国税です。正式には国外転出時課税制度と呼ばれていますが、国外に主たる居住地を移す、いわゆる移住する場合、国外に移住する時点で1億円以上の有価証券等を所有していると移住時点で有価証券等を売却等したものとみなして、含み益について15.315%の税率の分離課税の所得税もしくは総合課税の所得税を納めなければなりません。対象にはアマゾンやテスラのような外国株式も含まれます。ちなみに出国税は有価証券等が対象で不動産は入っていません。

③ご自身は日本に居住し続けて将来ご自身が死亡して相続が発生する
 国際結婚して海外に移住した子供が外国籍を取得して日本国籍を喪失しても、日本国籍を保有し続けている場合と同じく、子供が相続した全ての財産(国内、国外とも)について日本の相続税がかかります。

 更に被相続人であるあなたが相続時に1億円以上の有価証券等を保有していて、それを海外の子供が相続した場合には②で説明した出国税がかかります。あなたは既に死亡しているので相続人があなたに代わって相続した日から4カ月以内に確定申告します。

 再論します。相続税は相続した財産に対して相続人に課せられ、所得税は既に死亡している被相続人たるあなたに課されます。
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