PAGE...1|2
その意味からすれば、かねてより経済産業省と東京証券取引所が毎年共同で選出している『なでしこ銘柄』への注目度と市場での評価は、これまで以上に高まりやすくなるということにもなるだろう。実際、選定企業の株価の動きを指数化したものと東証株価指数(TOPIX)のパフォーマンスを比較すると、明らかに前者が後者をアウトパフォームしていることが分かる。それも、5 ~ 6年前あたりから両者の差は拡大する傾向を強めているのである。
 ちなみに、平成24(2012)年度から始まった『なでしこ銘柄』の選出において、最近の令和2年度分まで連続して選出され続けているのは東急(証券コード=9005)に限られる。また、過去に6回以上選出されている“常連組"にはカルビー(2229)や積水ハウス(1928)、ローソン(2651)、LIXIL(5938)、ダイキン工業(6367)などが名を連ねる。
 なお、令和2年度において初の選出となったのは住友商事(8053)、商船三井(9104)、アイシン精機(7259)の3社であった。今後は各社の市場での評価にも相応の変化が生じておかしくはない。むろん、それはイノベーションの創造に伴う収益状況の改善傾向ともリンクした格好となるだろう。
(左)THIS MONTH RECOMMEND・統計データを押さえることで経済の先を読む!
“代ゼミの地理の顔”と称される著者が「経済活動の結果」である統計を実に興味深く斬る。統計を知れば「経済の真実」に近づくことができ、ひいては次に何が起こるかを想像することが容易になる。統計を組み合わせると「物語=景観」が生まれ、それは「次の一手」を読むためのきっかけにもなる。つまり、統計を使いこなすことは、企業経営者や管理職、投資家、学生など多くの人々に求められる重要なスキルなのだとあらためて認識させられた。
『経済は統計から学べ!』宮路秀作/ダイヤモンド社/1,760円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.
PAGE...1|2
LINK
STYLE
ダイバーシティー経営で企業価値向上を実現!
>>2019.7.5 update
STYLE
2022年の日本株は再評価の動きが強まる!?
>>2022.1.25 update
STYLE
東京市場全体の魅力を高める!東証の再編
>>2021.9.17 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト 相場全体に強気の風が吹いてきた!
>>2017.7.20 update
STYLE
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
>>2019.3.17 update

記事カテゴリー