

なおも米・日の株価には一段の上値余地!?
田嶋智太郎 経済アナリスト
米国の代表的な株価指数であるS&P500の執筆時の値は、5月7日に記録した史上最高値にほぼ顔合わせしてきている。4月にいったんは調整場面があったものの、ほどなく切り返してきた。
米金融情報会社リフィニティブによれば、同指数構成銘柄の1株当たり利益(平均)は2021年に189ドル強と前年比で35%伸びる見通し。さらに、22年は211ドル強、23年は231ドルと段階的に増えることも見通している。ちなみに、これらの予想数値は定期的な見直しのたびに上方修正されている。
仮に、21年が189ドルのままであるとして、同指数の株価収益率(=PER)は22倍であるから、その逆数である株式益回りは4.5%ということになる。つまり、足元の米10年債利回り=1.6%前後よりもはるかに高いことから、まだまだ「債券より株式が優位」という状況は続くと見られる。
いまさら言うまでもなく、パンデミック後に一段と膨張した世界の超カネ余り状態はなおも継続中で、そのカネが常に行き場を探してさまよっている。それは、ときにビットコインなどの暗号資産、あるいは銅や銀などの国際商品にも向かうが、それらの価格動向は極めて不安定で結局は株式に戻ってくることが多い。
まして、米・欧・日の中央銀行は依然、膨大な資金供給を続けているさなかにあり、その額は米国で毎月約13兆円にも上る。むろん、いずれは供給額を段階的に減らす措置=テーパリングを開始しなければならない。
そこで、目下の市場が警戒するのが2013年5月に起きた「テーパータントラム」の再来である。周知のとおり、それは当時の米連邦準備制度理事会(FRB)議長の一言に端を発した。「市場への資金供給量を段階的に減らすテーパリングを、いずれは始めなければならない」という当たり前の一言が一時的にも米株価を大きく押し下げることになった。
米金融情報会社リフィニティブによれば、同指数構成銘柄の1株当たり利益(平均)は2021年に189ドル強と前年比で35%伸びる見通し。さらに、22年は211ドル強、23年は231ドルと段階的に増えることも見通している。ちなみに、これらの予想数値は定期的な見直しのたびに上方修正されている。
仮に、21年が189ドルのままであるとして、同指数の株価収益率(=PER)は22倍であるから、その逆数である株式益回りは4.5%ということになる。つまり、足元の米10年債利回り=1.6%前後よりもはるかに高いことから、まだまだ「債券より株式が優位」という状況は続くと見られる。
いまさら言うまでもなく、パンデミック後に一段と膨張した世界の超カネ余り状態はなおも継続中で、そのカネが常に行き場を探してさまよっている。それは、ときにビットコインなどの暗号資産、あるいは銅や銀などの国際商品にも向かうが、それらの価格動向は極めて不安定で結局は株式に戻ってくることが多い。
まして、米・欧・日の中央銀行は依然、膨大な資金供給を続けているさなかにあり、その額は米国で毎月約13兆円にも上る。むろん、いずれは供給額を段階的に減らす措置=テーパリングを開始しなければならない。
そこで、目下の市場が警戒するのが2013年5月に起きた「テーパータントラム」の再来である。周知のとおり、それは当時の米連邦準備制度理事会(FRB)議長の一言に端を発した。「市場への資金供給量を段階的に減らすテーパリングを、いずれは始めなければならない」という当たり前の一言が一時的にも米株価を大きく押し下げることになった。