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 北海道へはこれに先立つ2年前に東京から48頭が移されている。ただ、本格的にめん羊飼育が始動したのは、お雇い外国人の一人、エドウィン・ダンが札幌官園(農業に関する試験・普及機関)に着任し、牧羊場を開いてからのことである。
 ダンは米オハイオ州生まれ。父の経営するスプリングフィールドの牧場で育ち、牧畜経営を学んだ。来日したのは24歳のとき。3年間の“東京官園暮らし"を経て、牛40頭、羊91頭を引き連れて北海道へやってきた。以来6年半、ダンは牛や羊の牧場建設はもとより、用水路の建造や乳製品・加工肉の生産指導、競走馬の育成などに努め、「北海道酪農の父」と呼ばれるまでの活躍を見せた。
 時を同じくして札幌にやってきたのが、もっとも有名なお雇い外国人、ウィリアム・スミス・クラークだ。札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭に就任し、実質的に校内のすべてを取り仕切っていた。クラークの専門である植物学だけでなく、自然科学などを英語で教えた。
 また、学生たちに聖書を配りキリスト教も講じ、彼らはキリスト教徒になることを決心したという。こうしてクラークが創ったともいえる札幌農学校からは、のちに内村鑑三や新渡戸稲造といったクリスチャンの学者を輩出したことはいうまでもない。
羊毛種として100万頭近くいたコリデール。
今はサフォークが大半を占め、道内でも貴重な存在。
「さっぽろ羊ヶ丘展望台」であえる。
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