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(左)ラファエロ・サンツィオ 《大公の聖母》 1505-06年 油彩/板 84.4×55.9㎝ フィレンツェ、パラティーナ美術館 ©Antonio Quattrone (中)ラファエロ・サンツィオ 《聖ゲオルギウスと竜》 1504-05年 油彩/板 30.7×26.8㎝ パリ、ルーヴル美術館 RMN-Grand Palais (Musée du Louvre)/ean-Gilles Berizzi/distributed by AMF–DNPartcom (右)ラファエロ・サンツィオ 《友人のいる自画像》 1518-20年頃 油彩/カンヴァス 99×83㎝ パリ、ルーヴル美術館 ©RMN-Grand Palais(Musée du Louvre)/Gérard Blot/distributed by AMF–DNPartcom
日本初のラファエロ展
開催
傑作《大公の聖母》日本初公開!
国立西洋美術館では現在、6月2日(日)まで「ラファエロ」展を開催中だ。ラファエロ作品の多くは各美術館の顔であるため借用が難しく、大規模な展覧会を開くことは極めて困難とされてきたが、フィレンツェ文化財・美術館特別監督局の全面協力のもと、今年ついに日本初の大規模展が実現。ウフィツィ美術館、ルーブル美術館、プラド美術館など世界有数の美術館からラファエロの作品が集結し、油彩と素描合わせて約20点を公開している。
 中でも目玉が、生涯に多くの聖母子を描いたラファエロの代表作の一つである≪大公の聖母≫。タイトルの「大公」とはトスカーナ大公フェルディナント3世のことで、18世紀末にフィレンツェがナポレオンに占領された激動期に、この絵を手に入れたフェルディナントは、亡命中も肌身離さず大切にしたという。ごく最近行われた顔料の化学分析により、暗い背景は制作当初明るい画面で、聖母子が建物を背に立ち、建物の向こうには風景が広がっていたが、後世に塗りつぶされたことが明らかとなった。
 37歳で夭逝したラファエロは、その短い生涯の中で多くの傑作を残した。彼の絵は完全な均衡を保ちながらも計算を感じさせず、500年の時を超えて、画中のモチーフは今も生き生きと躍動している。これだけのラファエロ作品を日本で拝めるチャンスは今後二度ないと言っても過言ではなく、決して見逃せない展覧会だ。

●ラファエロ展
開催期間:6月2日(日)まで
開催場所:国立西洋美術館 東京都台東区上野公園7-7
開館時間:9:30~17:30(金曜~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜(4月29日、5月6日を除く)、5月7日(火)
ハローダイヤル03-5777-8600
http://raffaello2013.com
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