
SHは最新鋭の織り機で織り上げられる緻密で繊細な織物。通常は薄地のレースなどに使用する驚くほどに軽くて細い糸も使われているが、これを織れる工場はほとんどないという。

古きと新しきを備えた織物 川島織物セルコン
Photo TONY TANIUCHI(P1-3)
Text Asuka Kobata
Text Asuka Kobata
自然界の美しい情景を描き、緻密な織物で表現したインテリアファブリックスブランド「Sumiko Honda」。その背景には、母体となる川島織物セルコンが長い歴史の中で培ってきた感性や技術が生きていた。デザイナーである本田純子氏とともに京都の本社 市原事業所を訪れ、同ブランドのバックグラウンドをひもとく。
トン、トン、トン、トンとリズムよく響く織機の音。「ここを訪れると原点に戻ることができるんです。心臓の鼓動のようにも思える織機の音を聞いていると、気持ちがすっと落ち着きます。織り場は私にとって神聖な場所」と話すのは、インテリアファブリックスブランド「Sumiko Honda(以下SH)」の生みの親であり、川島織物セルコンのインハウスデザイナーである本田純子氏。四季の美しい自然を見事に織り上げたSHのバックグラウンドを探るべく、同社のものづくりの基盤となっている市原事業所を訪れた。
表情豊かな日本の自然情景を現代の暮らしに寄り添う織物として表現したSHは、本田氏が企画からデザイン、製作に至るまでを一貫して監修。彼女の研ぎ澄まされた感性により、季節の移ろいや光と影などを描いた織物は、絵画のような美しさを備えている。デザインの原画は水彩や墨を使って手で描いているが、糸や染料、織組織を厳選することで原画の柔らかなラインや微妙なにじみまでもを織物で再現。中には目に見えないほど細い糸も使われており、その繊細な製作過程には驚かされる。緻密(ちみつ)な作業の積み重ねにより、美しい絵柄が立体的に浮かび上がり、奥行き感が生み出されるのだ。
表情豊かな日本の自然情景を現代の暮らしに寄り添う織物として表現したSHは、本田氏が企画からデザイン、製作に至るまでを一貫して監修。彼女の研ぎ澄まされた感性により、季節の移ろいや光と影などを描いた織物は、絵画のような美しさを備えている。デザインの原画は水彩や墨を使って手で描いているが、糸や染料、織組織を厳選することで原画の柔らかなラインや微妙なにじみまでもを織物で再現。中には目に見えないほど細い糸も使われており、その繊細な製作過程には驚かされる。緻密(ちみつ)な作業の積み重ねにより、美しい絵柄が立体的に浮かび上がり、奥行き感が生み出されるのだ。