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《『暮しの手帖』2世紀53号(1978年発行)の表紙原画 世田谷美術館蔵》

●くらしとデザイン『暮しの手帖』花森安治の世界
会期:4月9日(月)まで
場所:島根県立美術館
開館時間:10:00~日没後30分(展示室への入場は日没時刻まで)
休館日:火曜 ※3月20日(火・祝)開館、3月21日(水)休館
TEL0852-55-4700
http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/sam/
美しい暮らしの創始者
花森安治
生誕100年記念展
島根県立美術館で4月9日まで開催中
今なお、広く愛され続けている雑誌「暮しの手帖」は、1948(昭和23)年、戦後間もなく、物のない時代でも美しく暮らしたいと願う女性のために創刊された。その後、物が出回り始めると、どれが役に立つ商品か、またメーカーに良いものを製造してもらうために、商品テストを実施。実証主義のテストは高く評価され、多くの読者から支持を得た。現在はこうした商品テストはしていないものの、生活者の側に立つ雑誌として中立を守るため、企業広告を載せずに発行されている。
 こうした雑誌の礎を築いた、初代編集長である花森安治が、生誕100年を迎えた。おかっぱ頭に、スカート姿がトレードマークの彼は、何でもできる天才編集者だった。編集のほか、取材・撮影・執筆・挿絵・レタリング・レイアウトなど雑誌づくりの全てを手掛けた。その上、表紙画までも、創刊号から死の直後に発行された53号まで全て花森の手によるものだというから驚きだ。
 生誕100年を記念して、「くらしとデザイン『暮しの手帖』花森安治の世界」展が、島根県立美術館で4月9日まで開催されている。30年間描き続けた表紙の原画を中心に、入稿原稿として制作された作品の数々を展示し、雑誌づくりに全身全霊を捧げた彼の熱い思いや、“花森編集の魅力"が分かる。
 松江は花森が青春時代を過ごしたゆかりの地である。彼は神戸生まれなのだが、松江の旧制高校に入学。ここで校友会雑誌の編集に参加したことが、編集者としての出発点になったと、後に語っている。そんな天職である編集者になるきっかけを作ってくれた松江の出身である女性と学生結婚。これがさらなる縁になり、後に一畑百貨店の包装紙のデザインをしたり、松江に関する書籍の「装釘(そうてい)」をしたりと、その関係は深い。今回は「松江と花森安治」コーナーも設けられ、その“ご縁"も分かる内容だ。
 死の2日前まで取材に奔走し、自ら紙面デザインをしていたという花森安治。彼が雑誌に込めた思いや、みずみずしい感性、そして反骨精神を、今こそ知るべきだろう。
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