一方で、たとえコロナ禍が終息しても、ジャブジャブに供給した資金を一気に回収しにかかるわけにはいかない。その実、FRBもしばらくはインフレを容認しながら、金融政策を正常化するようなことはしないと言っているのである。つまり、仮にバブルの炎が今後メラメラと燃え盛っても、そうやすやすとバブルの“退治"に踏み出すことはできない。そもそも、仮に多くの識者がバブルの認識を強めたとしても、当局は断じてバブルと認めることはない。それは、過去のバブルの歴史が証明していることでもある。
もちろん、世界の株式市場はFRBの決定を歓迎している。このところ、よく「実態経済と株価との間に大きな乖離が生じている」との評を耳にするが、それは待機資金のボリュームと主要中銀の政策方針が過去とは大きく異なることを考慮すれば、生じるべくして生じた当然の現象であると理解することもできる。
奇く しくも、コロナ禍は世界的なDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展を強力に推し進めることに貢献している。その流れに乗り遅れまいとする世界の企業は、そこに大きなビジネス・チャンスを見出し始めている。関連する企業の収益は飛躍的に伸びるだろうし、株価には大きな上値余地を見いだすことができるはずだ。
もちろん、世界の株式市場はFRBの決定を歓迎している。このところ、よく「実態経済と株価との間に大きな乖離が生じている」との評を耳にするが、それは待機資金のボリュームと主要中銀の政策方針が過去とは大きく異なることを考慮すれば、生じるべくして生じた当然の現象であると理解することもできる。
奇く しくも、コロナ禍は世界的なDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展を強力に推し進めることに貢献している。その流れに乗り遅れまいとする世界の企業は、そこに大きなビジネス・チャンスを見出し始めている。関連する企業の収益は飛躍的に伸びるだろうし、株価には大きな上値余地を見いだすことができるはずだ。

(左)THIS MONTH RECOMMEND・急ぎ「GAFAの次」を考える!
2020年代の最も重要な概念の一つとなっているデジタル。ところが、足元では既にその弊害が顕在化し始めており、もはや世界は「その次」を模索せねばならなくなっている。いわゆる「GAFAの次」のポストデジタル資本主義とは、果たしていかなるものなのか。世界がコロナ禍に見舞われるなか、いずれ到来するポストコロナの時代と併せて、その在り方を急ぎ考察していく必要に迫られた私たちに重要な示唆を与えてくれる一冊である。
『2025年のデジタル資本主義』田中道昭著/NHK出版新書/990円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.
2020年代の最も重要な概念の一つとなっているデジタル。ところが、足元では既にその弊害が顕在化し始めており、もはや世界は「その次」を模索せねばならなくなっている。いわゆる「GAFAの次」のポストデジタル資本主義とは、果たしていかなるものなのか。世界がコロナ禍に見舞われるなか、いずれ到来するポストコロナの時代と併せて、その在り方を急ぎ考察していく必要に迫られた私たちに重要な示唆を与えてくれる一冊である。
『2025年のデジタル資本主義』田中道昭著/NHK出版新書/990円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.