

7~8月は一つの重要なターニングポイント?
田嶋智太郎 経済アナリスト
執筆時の米フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州では、新たな新型コロナウイルス感染者の急増ぶりが目に余る状況となっている。この3州の州知事がいずれも共和党員であるということと、当該州で感染者が目立って増加していることは決して無縁ではなさそうである。なにしろ、党のリーダーであるトランプ氏自身がマスクの着用さえ拒否し、とかくウイルス対策に逆行しているのである。
このまま事態を放置すれば、今後も新たな感染者数は日増しに増え続ける公算が大である。そうなれば、これまで経済再開への期待感を優先させて一段の上値を追う展開を続けてきた米株価も調整局面入りとなり、目下のところ選挙戦で劣勢に立たされている現職大統領の再選への道のりは一層険しくなるだろう。
そこで当面、注視しておきたいのは、トランプ氏が起死回生を図るべくなりふり構わぬ政策行動に打って出る可能性が高いという点である。その実、目下のトランプ政権は欧州連合(EU)と英国からの輸入品に新たな関税を課すことを検討しており、7月26日まで米産業界から意見を募った上で、関税を課す品目や税率を決める方針であるとされる。場合によっては、欧州のみならず中国に対しても一層の圧力をかける可能性があり、ようやく回復し始めた世界経済の先行きにも暗雲が漂いかねない。
もちろん、目の前のさまざまな警戒や懸念が時間の経過とともに解消へ向かう可能性もなくはない。トランプ米大統領の再選確率が一段と低下すれば、今後は市場の関心が民主党候補のバイデン前副大統領に一気に傾く可能性が高まる。バイデン氏は副大統領候補に女性を立てるとしており、目下の市場ではカマラ・ハリス上院議員が最有力とされる。ウォール街との関係も決して悪くないハリス氏が候補に決まれば、市場の安心感は増すと見られている。ちなみに、バイデン氏は7月中旬に副大統領候補を発表するとの見込みだ。
このまま事態を放置すれば、今後も新たな感染者数は日増しに増え続ける公算が大である。そうなれば、これまで経済再開への期待感を優先させて一段の上値を追う展開を続けてきた米株価も調整局面入りとなり、目下のところ選挙戦で劣勢に立たされている現職大統領の再選への道のりは一層険しくなるだろう。
そこで当面、注視しておきたいのは、トランプ氏が起死回生を図るべくなりふり構わぬ政策行動に打って出る可能性が高いという点である。その実、目下のトランプ政権は欧州連合(EU)と英国からの輸入品に新たな関税を課すことを検討しており、7月26日まで米産業界から意見を募った上で、関税を課す品目や税率を決める方針であるとされる。場合によっては、欧州のみならず中国に対しても一層の圧力をかける可能性があり、ようやく回復し始めた世界経済の先行きにも暗雲が漂いかねない。
もちろん、目の前のさまざまな警戒や懸念が時間の経過とともに解消へ向かう可能性もなくはない。トランプ米大統領の再選確率が一段と低下すれば、今後は市場の関心が民主党候補のバイデン前副大統領に一気に傾く可能性が高まる。バイデン氏は副大統領候補に女性を立てるとしており、目下の市場ではカマラ・ハリス上院議員が最有力とされる。ウォール街との関係も決して悪くないハリス氏が候補に決まれば、市場の安心感は増すと見られている。ちなみに、バイデン氏は7月中旬に副大統領候補を発表するとの見込みだ。