実のところ、世界の株価が底入れ・反転してからもウイルスの感染はしばらく拡大し続けていたのであるが、最終的にWHOが「終息宣言」を出す運びとなった03年7月よりも4カ月ほど前から、すでに世界の株価は前倒しで「終息後」を織り込み始めていたのである。これを今回のケースに当てはめた場合、仮に新型コロナウイルス感染拡大の終息宣言が8月ごろになされるとすると、世界の株価はすでに上昇局面に入っていてもおかしくないということになるのである。
もちろん、市場関係者の中には「これから二番底を見に行く可能性に要警戒」とする向きも少なくはない。それは、これから3月、4月以降の景気データや日本企業の2020年3月期末決算、米国企業の第1四半期末決算などが“実態悪"として表面化することによるとされており、それも一つの道理ではある。
しかし、ウイルス感染拡大の酷い影響は相当分がすでに相場に織り込まれている可能性が高い。また、誰もが口をそろえて「二番底」の到来を警告するといった状況にあって、果たして「実際に彼らの予想通りに事が運ぶなどということがあろうか」という思いもある。
より現実的には、すでに世界の各国・地域から矢継ぎ早に大胆な対応策が打ち出されてきていることに注目したい。加えて、主要国がかつてないほどに協調体制を強固なものとし、ことに治療薬やワクチンの開発、医療機器の増産などで協力を約束し合っている点は見逃せない。月並みながら「強気相場は悲観の中に生まれる」。そう遠くない将来。希望の光は確実に見えてくることだろう。
もちろん、市場関係者の中には「これから二番底を見に行く可能性に要警戒」とする向きも少なくはない。それは、これから3月、4月以降の景気データや日本企業の2020年3月期末決算、米国企業の第1四半期末決算などが“実態悪"として表面化することによるとされており、それも一つの道理ではある。
しかし、ウイルス感染拡大の酷い影響は相当分がすでに相場に織り込まれている可能性が高い。また、誰もが口をそろえて「二番底」の到来を警告するといった状況にあって、果たして「実際に彼らの予想通りに事が運ぶなどということがあろうか」という思いもある。
より現実的には、すでに世界の各国・地域から矢継ぎ早に大胆な対応策が打ち出されてきていることに注目したい。加えて、主要国がかつてないほどに協調体制を強固なものとし、ことに治療薬やワクチンの開発、医療機器の増産などで協力を約束し合っている点は見逃せない。月並みながら「強気相場は悲観の中に生まれる」。そう遠くない将来。希望の光は確実に見えてくることだろう。

(左)THIS MONTH RECOMMEND
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、11月の米大統領選を巡る状況も大きく変化してきていると言われる。その「変化」を知るためには、感染症拡大以前の状況、選挙戦における勝敗の決め手が何であったのかを知っておくことも極めて重要と思われる。そこにはアメリカ社会が独自に抱える様々な問題の核心があり、その個々の点について本書は深く切り込んでいる。コロナ・ショックが超大国の行方をどう左右するのか、いま再考しておきたい。
『アメリカ大統領選 勝負の分かれ目』大石格著/日本経済新聞出版社/990円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、11月の米大統領選を巡る状況も大きく変化してきていると言われる。その「変化」を知るためには、感染症拡大以前の状況、選挙戦における勝敗の決め手が何であったのかを知っておくことも極めて重要と思われる。そこにはアメリカ社会が独自に抱える様々な問題の核心があり、その個々の点について本書は深く切り込んでいる。コロナ・ショックが超大国の行方をどう左右するのか、いま再考しておきたい。
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