
よみがえったファベルジェは、趣向を凝らした高級腕時計に加えて、宝飾品として新しいインペリアル イースターエッグの製作にも取り組んでいる。「ザ・オータム・エッグ」は、ローズゴールド&ホワイト製で、5454個のホワイトダイヤモンド(計24.64ct)、50個のラウンド&カボションルビー(計160.91ct)、189個のブリリアントカット&プリンセスカットのピンクサファイア(計41.46ct)、1個の天然真珠を使用。エッグ自体のサイズは10×7㎝で、付属のスタンドを含む高さは11.5㎝。非売品。

ロシア皇帝が愛した
幻の宝飾時計ブランド
幻の宝飾時計ブランド
Text Yasuhito Shibuya
あなたは「ファベルジェ」というブランドをご存じだろうか。ロシア帝国最後の王朝、ロマノフ朝の最後の皇帝たちが愛した幻のブランドだ。約100年後に奇跡の復活を遂げたその製品は「未来のヴィンテージ」そのものだ。
美術工芸の世界には、もはや誰のものだという「所有」の意味を超越した〝人類の宝〞がある。
だが、そんなレベルではなくても、著名なブランドや優れた職人が作る名品のように、時代を超えて受け継がれる普遍の価値を持つ「ヴィンテージ品」は、私たちの周囲には、実は数多くある。たとえ今は名品と認められていなくても、後にそう評価されることも珍しくない。高価ではなく、ささやかなものでも、思わぬ価値が認められることもある。そんな「未来のヴィンテージ」を発見できる人こそ本当の「目利き」なのだ。
さて、今回ご紹介するファベルジェは、そんな目利きたちが目下、ひそかに注目しているブランドだ。
実はその歴史の中で永遠不滅の〝人類の宝〞を生み出している。1885年から1916年にかけて製作された人類史に残る傑作「インペリアル イースターエッグ」である。
この奇跡の宝飾品を創造したのは1842年、ロシアのサンクトペテルブルクに宝飾工房を開いた金細工師グスタフ・ファベルジェの息子、ピーター・カール・ファベルジェ。
彼は1872年からロシア・ロマノフ朝の女帝エカチェリーナ2世の私的美術館だったエルミタージュ美術館の収蔵品の修理、修復に携わったことをきっかけにロシア王室と関わりを持ち、ロマノフ朝最後の二人の皇帝、アレクサンドル3世とその息子ニコライ2世の皇室御用達金細工師となり、皇后にして母后となったマリア、アレクサンドラのへの贈り物、イースターエッグの製作を依頼される。皇帝たちが求めたのは、殻を開けたとき、二人を魅了する驚きある特別な宝飾品とすること。
だが、そんなレベルではなくても、著名なブランドや優れた職人が作る名品のように、時代を超えて受け継がれる普遍の価値を持つ「ヴィンテージ品」は、私たちの周囲には、実は数多くある。たとえ今は名品と認められていなくても、後にそう評価されることも珍しくない。高価ではなく、ささやかなものでも、思わぬ価値が認められることもある。そんな「未来のヴィンテージ」を発見できる人こそ本当の「目利き」なのだ。
さて、今回ご紹介するファベルジェは、そんな目利きたちが目下、ひそかに注目しているブランドだ。
実はその歴史の中で永遠不滅の〝人類の宝〞を生み出している。1885年から1916年にかけて製作された人類史に残る傑作「インペリアル イースターエッグ」である。
この奇跡の宝飾品を創造したのは1842年、ロシアのサンクトペテルブルクに宝飾工房を開いた金細工師グスタフ・ファベルジェの息子、ピーター・カール・ファベルジェ。
彼は1872年からロシア・ロマノフ朝の女帝エカチェリーナ2世の私的美術館だったエルミタージュ美術館の収蔵品の修理、修復に携わったことをきっかけにロシア王室と関わりを持ち、ロマノフ朝最後の二人の皇帝、アレクサンドル3世とその息子ニコライ2世の皇室御用達金細工師となり、皇后にして母后となったマリア、アレクサンドラのへの贈り物、イースターエッグの製作を依頼される。皇帝たちが求めたのは、殻を開けたとき、二人を魅了する驚きある特別な宝飾品とすること。