

(左)色鮮やかな水彩絵の具で描かれた「チェルカーレ」の原画。桜の木がそのままそこにあるような立体感のあるデザインだ。(上)月蝕をイメージした「セレニータ」。さまざまなデザインを織り交ぜてコーディネートすることで独自の世界が表現できるのが同ブランドの魅力の一つ。
SHの最大の魅力は、本田氏の研ぎ澄まされた感性によりデザインされた、日本の表情豊かな四季の情景。季節の移ろいや光と影、水や風の流れなどからインスピレーションを得て丁寧に描き出した織物はため息が出るほどに美しく、国内外から高い評価を得ている。毎年、新作を発表しているが、今年は桜を描いた「チェルカーレ」や月蝕を表現した「セレニータ」を中心に、四つのデザインで構成された新たなコレクションを追加した。
「古くから愛され続け、あらゆるシーンで描かれてきた桜には、いつか挑戦したいという憧れがありました。昨年は梅がモチーフでしたので、季節の移り変わりを表現する中で次に桜をイメージしたのは自然な流れでした」
SHのデザインの原画は水彩絵の具で描かれ、にじみやぼかしを生かして自然界のみずみずしい情景を表している。その微妙な濃淡までもが織物にそのまま表現されているため、思わず見とれてしまうほどに奥行きを感じさせる。
これは本田氏が同社に入社後、数年にわたり「織物設計」を担当していたからこそ実現できるもの。織物の組織を決定するこの経験に基づき、色も素材もさまざまな糸を綿密に組み合わせることで、手描きの柔らかなラインを再現しているのだ。企画からデザイン、製作に至るまで本田氏が一貫して監修し、さらに歴史ある同社の職人が持つ高度な技術力が融合することで初めて、立体感にあふれた美しい織物が生まれるのであろう。
「古くから愛され続け、あらゆるシーンで描かれてきた桜には、いつか挑戦したいという憧れがありました。昨年は梅がモチーフでしたので、季節の移り変わりを表現する中で次に桜をイメージしたのは自然な流れでした」
SHのデザインの原画は水彩絵の具で描かれ、にじみやぼかしを生かして自然界のみずみずしい情景を表している。その微妙な濃淡までもが織物にそのまま表現されているため、思わず見とれてしまうほどに奥行きを感じさせる。
これは本田氏が同社に入社後、数年にわたり「織物設計」を担当していたからこそ実現できるもの。織物の組織を決定するこの経験に基づき、色も素材もさまざまな糸を綿密に組み合わせることで、手描きの柔らかなラインを再現しているのだ。企画からデザイン、製作に至るまで本田氏が一貫して監修し、さらに歴史ある同社の職人が持つ高度な技術力が融合することで初めて、立体感にあふれた美しい織物が生まれるのであろう。