
(左)Naumiの広々とした客室。(中)Waku Ghinの「牡丹海老のマリネ ウニとキャビア添え」。(右)シェフ和久田哲也。
シンガポールは多様な文化が入り混じる場所だが、街自体はいつもどこか澄ましたムード。それを何とかするには、まず食べることから始めたい。
シンガポールの真髄は、舌で経験するのが一番の近道。マレー半島の先端にあるシンガポールは、その地理ゆえに中国、マレーシア、インドやヨーロッパ諸国の食文化のメルティングポットになっている。アジア一の「食の共和国」とも言われるだけあって、地元のフードシーンからはもちろん目が離せない。著名シェフ陣(ジョエル・ロブション、ダニエル・ブールー)や、熱心なグルメ好きが世界中から押し寄せ、ホッケン・ミー(福建焼きそば)をはじめとするシンガポールの名物料理に舌鼓を打っている。シンガポールは、創設者であるトーマス・ラッフルズ卿が1822年に世界的に有名なスパイス&ハーブ菜園を作るなど、昔から食に深い関心を寄せてきた土地だが、美食の街として認識され始めたのは最近のこと。もちろん、シェフ和久田哲也のワク・ギン(Waku Ghin)をはじめ、有名店はミシュランガイド信奉者を引き寄せて止まないが、街行く食いしん坊の本当のお目当ては屋台巡り。タクシーや地下鉄も比較的便利だが、滞在はやはり中心地近辺がベスト。全40客室のモダンなホテル ナウミ(Naumi), なら、ゆったりとしたスペースに心強い専用執事サービスまで用意されているから、街のナビゲートも安心だ。