PAGE...1|2
金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
「アジアの世紀」の投資を考える
英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙の分析によると、国連貿易開発会議(UNCTAD)の定義に基づく「アジア」の経済は2020年、世界の他全域の経済の合計を上回るのだという。同紙の記事によれば、これは19世紀以降では初めてのことで、数字が示すところでは「アジアの世紀は2020年から始まる」。
 そんなアジアには、2020年までに世界の中産階級層(2005年現在の購買力平価で、1人当たり日収10~ 100ドルの世帯)の約半数が集まる。また、FT紙の記事は「英調査会社LMCオートモーティブによれば、アジアでは2007年以来、自動車とトラックをどの地域よりも多く購入しており、2030年ごろまでにはアジア以外全域の合計と同じ購入規模になると予測されている」とも伝えている。
 さらに、同記事には「インドネシアは2020年までにPPPベースで世界7位の経済大国になり、2023年までにはロシアを抜いて6位に躍り出ると予測されている」、「アジア最速レベルの経済発展を遂げているベトナムは2000年以降、PPPベースの経済ランキングでベルギーやスイスなど17カ国を追い越し、フィリピンの経済規模はオランダを上回った」などの記載もある。
 要は、世界の経済の過半を占めるようになるアジアでは、中国の他にインドはもとよりインドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシア(いわゆるASEAN5)などの台頭も見込まれ、そのインパクトはこれまでの想定を大きく超えるということなのである。既知のように、国際通貨基金(IMF)が公表している「世界経見通し」の成長率をみても、すでに中国、インド、ASEAN5のデータは米国や日本など先進国を大きく上回っている。
PAGE...1|2
LINK
STYLE
世界経済の「近未来シナリオ」を読み解く
>>2015.12.21 update
LIVING
タワーマンションの常識を覆す世界初のレジデンス
>>2009.10.27 update
STYLE
サザビーズスペシャリストが語る
>>2009.1.9 update
STYLE
時代を読む――原田武夫 第7回
>>2013.10.15 update
STYLE
「今年もドル安・円高傾向が続く」は本当か?
>>2021.1.20 update

記事カテゴリー