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文化が息づく国・ベトナム
Photo TONY TANIUCHI Text Mayumi Sakamoto
(左)木村浩一郎(きむら・こういちろう)タンクオンタンジャパン代表取締役。「ティエン・パーク」は、ベトナム国内ナンバーワンのシェアを誇るタンクオンタン電子電線ケーブルが進めるプロジェクト。
(右)矢作千鶴子(やはぎ・ちづこ)トラディションジャパン代表理事。伝統工芸的工芸品産地プロデューサー・デザイナー。着物文化の普及・啓発を中心とした事業などで活動し著書を始めとして、多くのメディアで活躍している。
ベトナム第三の都市ダナンで開発が進行中のリゾートタウン「ティエン・パーク」は、海外の投資家たちも注目する物件だ。このプロジェクトの日本における正規窓口であるタンクオンタンジャパンの代表取締役・木村浩一郎氏と、アジア文化に造詣が深いトラディションジャパンの代表・矢作千鶴子氏に、ベトナムの魅力について語っていただいた。

今も生活に溶け込むアオザイ
受け継がれてきた文化がある国

矢作:木村社長はビジネスでベトナムと強いつながりを持っていらっしゃいますが、まずは、ベトナムという国にどのような印象をお持ちなのかお聞かせください。
木村:6年ほど前から毎月のように訪れていますが、ちょうど40年くらい前の日本を見るような感じがありますね。町に活気があって、若い人が多い。ベトナムといえば、オートバイと自転車であふれた風景が有名ですが、それは若さと活力の象徴だなと改めて感じています。
矢作:わたしは今、民族衣装について大学院で学んでいるんですが、アジアの国々では、民族衣装が廃れずに生活の中に溶け込んでいるという印象があります。ベトナムでもアオザイが日常的に着用されてますね。
木村:学生の制服がアオザイです。白いアオザイなんですが、自転車でさっそうと走る姿は美しいですね。
矢作:確かにすがすがしい感じがしますね。アオザイには、涼しく過ごすための工夫があると思います。丈が長くても、深くスリットが入っているし、その下にはくパンツはゆったりとしています。民族衣装はその土地の気候や風土と密接につながっていますから、文化の一つですね。今日、私が着ているアオザイは着物の反物で作っていますが、アジアの民族衣装は着物からアレンジしやすいんです。シンプルな作りという点で、着物と似ているなと感じました。

共通項とディファレンスを認めて有意義な文化交流

矢作:日本もベトナムもお米の文化がありますから、そこにも共通点は見いだせますね。
木村:だから、自然と通じるものがあるのかもしれません。ただちょっと、ベトナムの人はせっかちかなと思う部分もありますが。
矢作:町にオートバイが多いから、せっかちに見えるのかもしれませんね。でも、せっかちというのは、若さの証しでもあるでしょう?
木村:そう、経済全体が若いですね。実際、政府の要人にしても、大企業の幹部にしても、年齢が若いんです。
矢作:そうすると、10年後のビジョンを持ちやすいですよね。そこに、文化がきちんと入り込んでいるというのは、理想的だと思います。
木村:最初に、日本の40年前と似ていると言いましたが、大きく違うのはハイテク技術の存在。政府としては、IT産業に力を入れるという方針もありますから、戦後、日本が歩んできた道よりもスピードは速い。
矢作:そういうグローバリゼーションが進む中で考えていただきたいのは、文化交流です。数字で競うよりも、文化で交流することの方が大切ではないでしょうか。それも共通点を模索するだけではなく、ディファレンスも認めていくこと。その点でいうと、民族衣装のアオザイが生活の中に溶け込んでいるベトナムは、素晴らしいと思うんですね。

ベトナム第三の都市ダナンにリゾートタウンの造成が進行中

矢作:いまプロジェクトが進行中のダナンですが、細長く伸びるベトナムのちょうど真ん中にあって、ハノイとホーチミンの間に位置するということが興味深いんです。ロケーションも素晴らしいようですね。
木村:海洋都市ですし、美しいビーチもあります。ホイアン、フエ、ミーソンという三つの世界遺産へも非常に近いですしね。東西経済回廊の中心として陸・海・空の重要物流拠点でもあります。
矢作:国際都市ですね。
木村:ベトナム第三の都市ですが、今進んでいるリゾートタウン「ティエン・パーク」は、特に期待が高いんです。不動産事業に対して今年度のベトナム政府の追加予算が25億ドルと決定していますから、活性化が期待できます。
矢作:今後、ベトナムがさらなる発展を遂げた時、そこからどういうビジョンを持つかということが大切だと思うのですが。
木村:それはもう文化だと思いますよ。経済も大事ですが、脈々と受け継がれる文化があり、それをどのように生かすか。そこが鍵だと思うし、アオザイ一つとっても分かるように、いい文化が育っていると思いますね。文化交流という点では、現地にジャパンコミュニティーセンターを設置する予定です。そこから日本の文化を発信し、ベトナムの文化を吸収する機会を作って、相互理解を深めていきたいと考えています。
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