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今回のコラボレーションでの苦労や、今後もリヤドロと有田焼が一緒にやっていくべきと、熱く語り合うリヤドロ ジャパン社長の麦野豪氏(右)と源右衛門窯社長の金子昌司氏。歴史ある磁器を扱う者同士、いろいろな未来を思い描いている。
この奇跡のコラボレーションが生まれたきっかけは、リヤドロジャパン社長の麦野豪氏が、佐賀県の有田を訪れたことだったという。
「実は有田に行くまで、有田焼は一つだと思っていたんですよ。それが実際に行ってみたら、有田焼は同じ地元の土を使うというだけで、100以上の窯元があり、それぞれが焼く温度も、使う絵の具や釉薬も違う、独自の技術を継承している。だから、見た目もまったく違うんです。その幅の広さと、何より、造形美を追求してきたリヤドロファミリーが見たらぶっ飛ぶような絵付け技術のすばらしさに、非常に感銘を受けましてね。一緒に何かできたら面白いな、と考えたのです」と麦野氏。コラボレーションに参加した六つの窯元の中の一つ、源右衛門窯の継承者である金子昌司氏はこう語る。「私たちとしても、リヤドロが雛人形など和風のものを作り出した頃から、とても気になる存在でした。私たちには、あの造形を生み出すことは到底できませんからね」。
 しかし、化学反応の賜物である磁器同士のコラボレーションは、気持ちだけで成せるものではない。試行錯誤を繰り返す中で、お互いの発展の歴史の違いと、磁器の奥深さを再認識したという。「400年の歴史の中で、他の窯元の作品をうちの窯で焼いたのは初めてですよ(笑)。有田焼の発展を振り返っても、ぐっと伸びるのは、いつも外部から人や文化が入ってきたときでした。今回のリヤドロとの出合いによって、有田焼はまた新しい扉を開けたと思っています」と金子氏。これには麦野氏もうなずいた。「リヤドロにとっても、新しい幕開けになったと感じています。今回のコラボレーションをきっかけに、今後、有田焼とさらに協働していきたいですね。そのために、リヤドロファミリーを有田に案内することにもなっているんですよ」。
 スペインと日本の磁器の窯元。今回のコラボレーションはスタートに過ぎない。これから、化学反応の賜物である磁器メーカー同士、新たな化学反応を起こすべく、いろいろな取り組みをともに実現していく考えだ。
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