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果物そのままのようなポアールのグラス・ソルベ。これからの季節、冷凍庫に常備しておけば、急な来客があっても、“おもてなしの逸品”になる。
グラス・ソルベという名の
幸運
Photo Noriko Taniguchi Text Yoko Syano
洋菓子の名店・ポアールが生み出した、グラス・ソルベ(アイス)。
デリケートな果物の形と味わいをそのまま生かした、宝石のごときソルベを大切な人への贈り物や華やかなパーティに――。
ポアールのグラス・ソルベに出会えた人は幸運だ。マスクメロンやりんご、レモンやマンゴー。生の果物の形はそのままに、なかに詰め込まれているのは、とびきりのソルベ(アイス)である。
 たとえば、りんご。男性でも両手で包み込みきれないほど大粒の「陸奥」をふたつに割り、向こうが透けて見えるほどしっかりと果肉をすくい取る。果肉を絞り、加熱殺菌した後に厳選した生クリームを合わせ、アイスマシーンの名機・イタリア製のカルピジャーニで冷却する。すべての作業は熟練のグラシエ(アイス専門の職人)だけに任される。糊料や安定剤などの添加物はいっさい使用しない。そのデリケートな味わいを守るため、マイナス30℃で無風の特殊冷凍庫で保存する。グランシェフ・辻井良樹氏はこう語る。
「ソルベを扱う店や会社は多いですが、うちの製法を知ると口を揃えて『糊料は使うべきだ、よくそんなことをやっているな』と言われます。本場であるヨーロッパの職人とも議論を交わしましたが、爽やかな食感を生かすためには、糊料は使用しないと心に決めました。あるときMOF(フランスの国家最優秀職人章)をもつ人に、『君の姿勢はすばらしい。フランスの職人たちにも学んでほしいよ』と言われ、これでいいのだと確信しました」
 通販でも扱うが、温度管理が不安定になるリスクを減らすため、ドライアイスをぎっしり詰め、送り先の在宅確認をしてから発送する。作る手間も扱う手間も並大抵ではないが、それでも貫きたいのが菓子職人としての誇りであり、お菓子を提供する企業としての理念だ。
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