
ジャガー・ルクルト「パリュール・エクストラオルディネール ル・リエール」(右上から時計まわり)カフ型ウォッチ、リング、イヤリング、ネックレス。セット販売予価3,000,000ユーロ。(ただし価格やデリバリーの変動、仕様変更等の場合がある。)

ジャガー・ルクルトが
おくる近代芸術の雅趣
おくる近代芸術の雅趣
Text Fumitoshi Shimura
19世紀の美術工芸運動を思わせる美しさ
175年にわたりマニュファクチュールとして時計を世に送り出してきた名門ジャガー・ルクルト。その妙技は宝飾にまで至り、1920年代にダイヤを配した極小の腕時計を、1929年には今日でも世界最小の座にある機械式ムーブメントを製造して女性のための小ぶりな腕時計を流行させた。この19世紀後期から20世紀初頭の時代背景には、モダンデザインの父と呼ばれる英国人のウィリアム・モリスによるアーツ・アンド・クラフツ運動と、これに端を発したアール・ヌーヴォーが存在する。そして、これらを象徴するデザインが、インテリアにはじまり、工芸品や商業ポスター、建築様式に多用された植物模様の装飾美術だ。その有機的な自由曲線の組み合わせによる優美なデザインを腕時計にいち早く取り入れたのがジャガー・ルクルトだった。そして、この創意溢れる芸術性を今に蘇えらせたのが、昨年、発表されたそれぞれ3000個以上の宝石で装飾された腕時計「ラ・ローズ」と「ラ・チューリップ」につづく大作「パリュール・エクストラオルディネール ル・リエール」である。