とはいえ、今秋に中間選挙を控えたトランプ米大統領は日々選挙への対応・対策にご執心であり、そのことが中国やイラン、メキシコなどとの関係を悪化させ、世界全体の先行きが極めて不透明な状態となっていることも確かである。よって、やはり今後も「安全資産としての金(ゴールド)」の出番は少なからずあるだろう。
まして、もともとゴールドは「有限」であり、既に採掘はピークを通り越したとも言われている。金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が発行した『GOLD2048』によれば「2016年末時点における世界の金の埋蔵量は5万5000トン強と推定され、その90%を掘るとしても、その量は2017年の生産実績の15年分しかない」とのことである。
このように極めて希少な存在であるにもかかわらず、その価格が執筆時の1250ドル前後という現状では、かかるコストとの見合いから誰も新たに採掘しようとはしない。つまり、このままでは金の希少性がますます高まることとなるわけであり、いずれ自(おの)ずと価格が上昇し始めることは火を見るよりも明らかなわけである。
米中間選挙の話に戻ると、事実上の「トランプ勝利」なら、世の中はますます混沌(こんとん)とした状態になり、将来不安から金が買われやすくなると見られる。逆に「敗北」となった場合は、国際社会に対する米保護主義の圧力がいったん弱まり、結果として世界全体の景気拡大期待が強まり、リスク資産投資の流れの一環として金が注目される可能性も大いにあると見られる。
まして、もともとゴールドは「有限」であり、既に採掘はピークを通り越したとも言われている。金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が発行した『GOLD2048』によれば「2016年末時点における世界の金の埋蔵量は5万5000トン強と推定され、その90%を掘るとしても、その量は2017年の生産実績の15年分しかない」とのことである。
このように極めて希少な存在であるにもかかわらず、その価格が執筆時の1250ドル前後という現状では、かかるコストとの見合いから誰も新たに採掘しようとはしない。つまり、このままでは金の希少性がますます高まることとなるわけであり、いずれ自(おの)ずと価格が上昇し始めることは火を見るよりも明らかなわけである。
米中間選挙の話に戻ると、事実上の「トランプ勝利」なら、世の中はますます混沌(こんとん)とした状態になり、将来不安から金が買われやすくなると見られる。逆に「敗北」となった場合は、国際社会に対する米保護主義の圧力がいったん弱まり、結果として世界全体の景気拡大期待が強まり、リスク資産投資の流れの一環として金が注目される可能性も大いにあると見られる。

(左)THIS MONTH RECOMMEND 実は日本はデジタルと相性がいい?
本書は、かねて商業資本主義から産業資本主義へと発展してきた資本主義が、今では「デジタル資本主義」に移行したとのスタンスをとる。そのうえで「日本は社会経済に及ぼすデジタルの影響が実はかなり大きく、土壌としてのデジタル許容度のようなものも世界的にかなり高い。その意味で、日本企業にはアドバンテージがあるし、国として世界をけん引する役割を担う可能性もある」という。デジタル化の進展を前向きに受け入れたくなる一冊だ。
『デジタル資本主義』此本臣吾監修/森健・日戸浩之著/東洋経済新報社/1,728円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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『デジタル資本主義』此本臣吾監修/森健・日戸浩之著/東洋経済新報社/1,728円
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