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金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
年度替わりでドル高& 株高の予感!?
いまや東京証券取引所における売買シェアの6~7割を外国人投資家が占めているというのは、とうに周知の事実となっている。そんな外国人投資家は、今年1月の第2週から3月の第3週までに日本株(現物株式+株式先物)を8.5兆円近くも売り越した。どうりで年初来、日本株の上値が重い状態も長く続いたわけである。
 ところが、そんな外国人投資家も株式先物に関しては3月の第3週において9週ぶりに買い越しに転じてきた。そして、さらに3月の第4週には現物株でも買い越しに転じている。もともと、市場関係者の間でも「4月は買いに転じるだろう」との声が以前から少なからず聞かれていた。なにしろ外国人投資家は2001 ~ 2017年において17年連続で毎年4月に日本株(現物)を買い越しているのである。よって「今年も4月は18年連続で……」と考えるのはごく自然なことと言える。
 いずれにしても、主に外国人投資家が今年1月の第2週以降、日本株を売り越し続けたおかげで、足元の株価が相当に割安と考えられる水準まで下押していることは間違いない。執筆時の日経平均株価は2万2千円に届かない水準に留とどまっており、同水準での予想PER(株価収益率)は13倍にも届いていない。過去に本欄でも幾度か述べているが、リーマン・ショック後の予想PERはおおよそ13.5 ~16.5倍ぐらいの水準で推移してきた。つまり、足元の株価は過去10年で最も割安な状態にあるとさえ言える。
 もちろん、執筆時の株価がなおも割安な状態に放置されているのはドル/円相場の見通しが不透明であることにもよる。なにしろ、ドル/円は3月下旬に一時104円台半ばぐらいまで大きく下押す場面があり、基本的に円高の方向にバイアスがかかり続けている限りにおいては、いかに割安であっても株価の上値は追いにくい。
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