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さすがに、当初1~2回目の利上げ実施に対しては米国の代表的な株価指数であるNYダウ工業株30種平均(NYダウ平均)も様子見姿勢を強め、2004年10月下旬あたりまではやや弱含みの展開を続けた。しかし、ほどなく底入れ&反発してそれ以降はおおよそ1万ドル前後から1万1500ドル前後へと押しなべて緩やかな上昇を続けることとなった。また、2006年6月に利上げが打ち止めとなってからは一気に上昇に弾みがつくこととなり、2007年10月には一時1万4300ドル近辺まで上値を伸ばした。つまり、必ずしも「金利上昇イコール株価下落」ではないのである。
 なお、米株価が乱高下した影響で、一時期は日経平均株価もやや大きく調整する場面が見られた。その結果、日経平均採用銘柄の株価収益率(PER)の予想値が一時13倍台まで低下する場面もあったわけだが、既知のとおり、同指標はおおむね13.5 ~ 16.5倍の間で推移するのが一般的であるとされ、ボトムと見られる13.5倍に近づいた場合には、そこが絶好の買い場になると考えることもできる。
 執筆時点における日経平均採用銘柄の予想1株当たり利益の平均は1565円程度と計算されており、これに予想PER=16.5倍を当てはめれば、近い将来において日経平均株価が2万5800円あたりまでは値を上げておかしくないということにもなる。もちろん、来期(2019年3月期)は一段の増益ということになれば、それだけ日経平均株価の上値余地もさらに広がると見られる。
(左)THIS MONTH RECOMMEND 時代が注目する若手日本人科学者からの大提言
「ホワイトカラーおじさんの社外アウトソース」、「男女のフェアな扱い」、「年功序列との決別」が日本経済・再興戦略の三つの柱であると唱える著者は、人呼んで“ 今、世界でもっとも注目される日本人科学者”。年配の男性諸氏には少々耳が痛いワードなどもポンポンと飛び出すが、これからの新しい日本に不可欠となる重要なキーワードも満載されており、それらすべてが実に刺激的であると同時に十分な説得力を持っている。
『日本再興戦略』落合陽一/幻冬舎/ 1,512 円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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