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そもそも“近年の一般的なレベル"というモノサシ自体が、あまり意味を成さなくなってくる可能性さえある。なにしろ、もはや日経平均株価は「平成バブル崩壊後の最高値を超える」という一つの歴史的な局面を迎えたのだ。ちなみに、平成バブル期の日経平均株価の予想PERは、一時的には60倍を超える水準に達していた。さすがに、それは異常としか言いようがなく、そのような時代が再び訪れることは決してない、あってはならないと思われる。
 ただ、同じ平成バブル期に「日経500種平均株価」がつけた最高値=2406円(1989年12月)に対して、足下(11月9日時点)の値が2201円と、当時比にして90%超の水準に達しているという事実は、やはり見逃せない。周知のとおり、日経平均株価の平成バブル当時(1989年12月)の最高値は3万8915円で、その90%と言えば3.5万円超という値になる。
 ちなみに、日経500種平均株価というのは、東京証券取引所市場第1部に上場している500銘柄を対象に、日経平均株価と同じく「ダウ式平均」という方式によって算出される(時価総額加重平均方式で算出されるTOPIXやマザーズ指数とは異なる)株価指数で、言うなれば日経平均株価とは兄弟のような関係にある。
 よって今後、日経平均株価の予想PERが60倍超などという異常値を示すことはあり得ないにしても、少し長い目で見て3万円を超えてくる可能性ぐらいは大いにあっていいということになろう。
(左)THIS MONTH RECOMMEND アートが資本主義の未来を予言する!?
水野氏と山本氏、両者による対談の内容を読めば読むほど、確かに経済とアートの間には共通項が多いということをあらためて思い知らされる。かねて、水野氏は「世界の資本主義が終焉を迎えている」と主張しているが、では果たして資本主義は今後どうなっていくというのであろう。アートは、その答えを知るための一つの鍵を握っているものと考えられ、それは過去の歴史における互いの共通項から導き出される、とする点が実に興味深い。
『コレクションと資本主義』水野和夫・山本豊津/角川新書/907円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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