しかしそれはたんなる犠牲ではありませんでした。その生命力において、輝くフリースによって、「羊」は「復活する」と信じられたのです。キリストは3日後に「復活」を遂げます。キリスト教図像では、墓を警護していたローマ兵が眠っているあいだにキリストが墓から立ち上がり勝者として旗を掲げている姿で描かれてきました。
この犠牲から復活へ、の奇跡への想いは、幻想ではなく、実際に1万年の「羊」との関係を築いてきた人間たちの確信であったのです。
私はあるとき、イギリスの西にあるアイルランドで、記録映画『地球交響曲(ガイア・シンフォニー)第一番』(龍村仁監督)に出演のため撮影をしていた2月、緑の牧場に子羊が生まれて母羊とたわむれている光景を見ました。あの輝く白いフリースを生む羊は、このようなまだ寒い冬に、黄金の太陽が、はやばやと復活するようにして、この世に生まれ落ちてくるのだ、ということを知り感動したのでした。
厳寒の、まだ日照時間もじゅうぶんではない冬に、早くも子羊は生まれる。これは闇から光への復活を象徴しているように思えたものでした。この映画ではアイルランドの歌姫エンヤと共演させていただいたのですが、その映画に流れる彼女の歌にも、「闇から光へ」、季節がじょじょに移り、希望の行進の足音が高まってゆくようなリズムが聴き取れました。それはすでに述べた「神の子羊」、犠牲となりながら復活する魂と生命に重なったのです。
この犠牲から復活へ、の奇跡への想いは、幻想ではなく、実際に1万年の「羊」との関係を築いてきた人間たちの確信であったのです。
私はあるとき、イギリスの西にあるアイルランドで、記録映画『地球交響曲(ガイア・シンフォニー)第一番』(龍村仁監督)に出演のため撮影をしていた2月、緑の牧場に子羊が生まれて母羊とたわむれている光景を見ました。あの輝く白いフリースを生む羊は、このようなまだ寒い冬に、黄金の太陽が、はやばやと復活するようにして、この世に生まれ落ちてくるのだ、ということを知り感動したのでした。
厳寒の、まだ日照時間もじゅうぶんではない冬に、早くも子羊は生まれる。これは闇から光への復活を象徴しているように思えたものでした。この映画ではアイルランドの歌姫エンヤと共演させていただいたのですが、その映画に流れる彼女の歌にも、「闇から光へ」、季節がじょじょに移り、希望の行進の足音が高まってゆくようなリズムが聴き取れました。それはすでに述べた「神の子羊」、犠牲となりながら復活する魂と生命に重なったのです。