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もちろん、いくら円高への耐性を強めているとはいえ、あまり極端に円高が進むことは日本の株価にとってややマイナスとなろう。ただ、多少円高に振れた局面では、そのぶん「ドル建て日経平均株価」の水準が上がりやすくなり、海外投資家にとっては魅力に映ることも事実ではある。実際、4月中旬あたりからドル建て日経平均株価は急ピッチで上昇してきており、海外投資家は5月の第5週まで9週連続で日本株を買い越している。
 そもそも、米国の金融政策が年間で複数回の利上げを検討する段階に入っているのに対して、いまだ日本の金融政策は“異次元緩和"の「出口」に向かえないままでいる。よって、普通に考えれば極端な円高・ドル安は進みにくい。また、仮に一時的にも円高・ドル安方向に振れた場合は、そのぶん米国でインフレ率が高まったり輸出が好調に推移したりすることで、結果的に将来のドル買い材料を増やすことにもなる。総じて、今後も大きな流れとして緩やかな円安の流れが続く可能性は高いと見られ、相応に日経平均株価の上値余地も緩やかに拡大するものと見込まれる。
(左)残酷な5年後に備えるSTEM
副題は「『STEAM』が最強の武器である」。用語の意味は本書の説明に譲るが、やわらかい言い回しや事例を多く用いながら、いまだSTEAM の重要性を理解していない人にとっては、かなり厳しく身につまされることを述べている。文系人間を自任する人に向けて「“ 理数通” になる近道」を説き、「勉強なんてしていないでゲームをしなさい」と唱えるなど、ユニークな手法で人生戦略を考えさせる成毛流にひき込まれる。
『AI時代の人生戦略』成毛眞/SB新書/ 864 円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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