周知のとおり、米連邦準備制度理事会(FRB)は9月下旬に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策の据え置き=利上げの見送りを決定した。FOMC終了後の記者会見において、イエレン議長は「近い将来の経済見通しに関するリスクはおおむね均衡している」と述べている。これは、今年の年初からたびたび相場の波乱要因となってきた「中国経済の先行き不透明感」や「英国の欧州連合(EU)離脱の影響」などといったリスクが足元で低下していることを指し示しており、その意味でも市場の米国に対する関心は今後シンプルに高まることとなろう。 他にもイエレン氏の口からは、どちらかと言えば先行きに対して強気な(ややタカ派的な)発言が多く聞かれた。なかで最も筆者が興味を惹(ひ)かれたのは「人々が良い仕事を求めるようになったため、雇用の改善が足踏みしている」という重要な一言である。この言葉がどのようなことを意味しているのかは、もうすでにお判(わか)りだろう。
目下の米労働市場が“超売り手市場"になっていることは明らかであり、当然のことながら求職者側の要求水準は見る見る高まっている。よって、いずれは企業側も賃上げや雇用条件改善といった求職者側からの要求に応じざるを得なくなるだろう。結果、そう遠くない将来において、米国経済と米ドルは再び本来の強みを取り戻すことになるものと思われる。
もちろん、このところ日経平均株価の価格推移に一定の底堅さが認められることも対円でのドルの水準をある程度下から支える可能性があると言える。もともと過去1年の価格推移においては1万6500円から1万7250円の価格帯での累積売買代金が多い。逆に言えば、1万6500円以下と1万7250円以上の水準では比較的買いが入りやすいということも、一応は念頭に置いておきたい。
目下の米労働市場が“超売り手市場"になっていることは明らかであり、当然のことながら求職者側の要求水準は見る見る高まっている。よって、いずれは企業側も賃上げや雇用条件改善といった求職者側からの要求に応じざるを得なくなるだろう。結果、そう遠くない将来において、米国経済と米ドルは再び本来の強みを取り戻すことになるものと思われる。
もちろん、このところ日経平均株価の価格推移に一定の底堅さが認められることも対円でのドルの水準をある程度下から支える可能性があると言える。もともと過去1年の価格推移においては1万6500円から1万7250円の価格帯での累積売買代金が多い。逆に言えば、1万6500円以下と1万7250円以上の水準では比較的買いが入りやすいということも、一応は念頭に置いておきたい。

(左)人工知能が拓く衝撃の近未来
近年、大変な注目を集める人工知能の技術進歩は、ここ数年で革新的な飛躍を遂げた。これまで「プログラム化された機械」に過ぎなかった人工知能が、いまでは「自分自身で学ぶ能力をプログラムする」段階に移行しつつあるという。結果、今後は20 世紀までとはまったく違うタイプの職業シフトが起き、ことに金融業の多くの非単純労働がロボットに取って代わられる……。次々と明らかにされる衝撃的な事実には誰もが驚きを隠せまい。
『人工知能が金融を支配する日』櫻井豊/東洋経済新報社/1,728円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。http://tomotaro-t.jimdo.com
近年、大変な注目を集める人工知能の技術進歩は、ここ数年で革新的な飛躍を遂げた。これまで「プログラム化された機械」に過ぎなかった人工知能が、いまでは「自分自身で学ぶ能力をプログラムする」段階に移行しつつあるという。結果、今後は20 世紀までとはまったく違うタイプの職業シフトが起き、ことに金融業の多くの非単純労働がロボットに取って代わられる……。次々と明らかにされる衝撃的な事実には誰もが驚きを隠せまい。
『人工知能が金融を支配する日』櫻井豊/東洋経済新報社/1,728円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。http://tomotaro-t.jimdo.com