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湖上の聖地 竹生島へ
竹生島は湖北の長浜港から約12㎞の距離。約30分の航路だ。宝厳寺(ほうごんじ)と都久夫須麻(つくぶすま)神社(竹生島神社)という寺社のみで占められた、周囲2㎞のこの花崗岩(かこうがん)でできた小さな島に、まさに「湖上の聖地」たる神秘を感じる。
 島の由緒が面白い。『近江国風土記逸文』が伝える話によると、「伊吹岳の神が姪の浅井岳(現・金糞岳)の神と高さを競って負けてしまった。浅井の岡が一晩のうちに高さを増したのだ。怒った伊吹岳の神は浅井岳の神の首を切り落とした。その首が琵琶湖に落ちて島となった」というのだ。浅井姫の首が沈む時に「都布都布」と音を立てたことから島の名を「都布夫島」といい、この島に最初に生えた竹にちなんで「竹生島」と書く、としている。
 船のデッキに立ち、風を受けながらそんな伝説に思いを馳せるうちに、みるみる島が迫ってきた。
「あれこそ聞え候竹生島」
 木曽義仲討伐のために北国へ赴く途中で、平経正(たいらのつねまさ)が聞いた供の声が心にこだまする。『平家物語』巻七の「竹生嶋詣(もうで)」に描かれた挿話では、経正はその声に心を動かされて島へ渡り、竹生島明神を拝し、経を読んだのだ。
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