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菊池容斎「呂后斬戚夫人図」 江戸時代1843(天保14)年 静嘉堂文庫美術館蔵
菊池容斎は日本の歴史を題材とした「近代歴史画」の創始者として知られる。81歳の高齢で明治を迎えたが、明治画壇に多大な影響を与えた。「呂后斬戚夫人図」は江戸時代のうちに描かれた、中国漢代の逸話が題材の画。写生と古典の学習で確立した容斎独自のスタイルが表れる。(8月12日までの展示)
実業界の雄と芸術家がタッグを組んで作り上げた、明治
明治の美術界は、変革の時代特有の混乱と活力にあふれていた。もともと、部分的な開国にともない西洋文化は文化人たちの間に流入し、維新の前から画家たちの心を魅了。そんな時期に成長した画家たちは、維新後の本格的な激動を生き抜き、時代に翻弄(ほんろう)されながらもそれぞれのスタイルを確立した。明治前期の美術界は、画一とは正反対の、さまざまな様式が並存するにぎやかな様相を呈していたのだ。狩野派を出発点にしながら、西洋画の合理性、構築性を取り入れ、苦労の末に融合、昇華させた橋本雅が 邦ほう。伝統画法を若くして会得したのちは、生き方も作品も文字通り“型破り"をまっとうした河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。洋画というジャンルを確立した巨匠、黒田清輝(せいき)……。
 実業界の雄と芸術家たちが二人三脚で作り上げた明治の熱狂を、我々は残された絵から感じ取る。
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