
フランスでトップシェアを誇るコンテチーズ
Text Keiko Nagahashi
徹底した手作り製法と管理体制
チーズの種類が600種ともいわれる本場フランスで、国内AOCチーズ生産量トップの25%を占める「コンテチーズ」。フランス国内はもとより、世界中の人々を魅了するこのハードタイプチーズは、アルザス・ロレーヌ地方の南側、フランス・コンテ地方のジュラ山地一帯で作られている。原料のミルクはモンベリアード種かフレンチ・シメンタール種の乳牛に限られる。1玉を作るのに400Lの新鮮なミルクを必要とするため、14世紀頃から農家たちはミルクを持ち寄り、共同でチーズ作りを行ってきた。そのシステムは今も存在し、現在は約3,000の農家が170のフリュイティエール(チーズ工房)にミルクを提供。工房で作られたチーズは、アフィナージュカーブと呼ばれる熟成庫で最低4ヶ月熟成される。職人による徹底した温度と湿度管理によって生みだされる、ナッツなどの多様な風味、そしてコクがあるのにさっぱりとした味わい。是非とも料理やワインと一緒に堪能したい。


ミルクは24時間以内にチーズにされなければいけないため、工房は年中無休で稼動している。資料・写真提供:コンテチーズ生産者協会 http://www.comte.jp