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Sumiko Honda 日本の四季を織り上げる

Text Asuka Kobata
(左) 日本の美しい自然からインスピレーションを得て、まずはデザイン画を手描きする。
(中)色も素材もさまざまな糸を綿密に組み合わせ、手描きの柔らかなラインを織物で表現。本田氏が全ての工程に一貫して携わることで上質な製品を生み出している。
(右)原画に合わせて糸の素材や太さ、色を厳選し、配列を決めていく。染色の技術者の手により自社工場で染め上げた糸は、微妙な色の違いが表現されている。
研ぎ澄まされた感性で自然界の美しい情景を描き、丁寧に表現したインテリアファブリックス「Sumiko Honda」。光に照らされてさまざまに表情を変える美しい織物が日々の暮らしに彩りをもたらし、古来、自然を愛してきた日本人ならではの美意識を呼び覚ましてくれる。
古くから織物産地として知られる京都で創業し、170年以上の歴史を刻んできた川島織物セルコン。帯や緞帳(どんちょう)の製作により培ってきた織物の技術をインテリアファブリックスに生かし、カーテンやカーペット、クロスなど幅広いラインアップで多くの自社ブランドを展開している。その中でも最高級ブランドとなるのが、美しい自然の情景を現代の日本の暮らしに寄り添うファブリックとして表現した「SumikoHonda」(以下SH)だ。
 「日本人は四季の移り変わりを愛めでる独自の自然観を持ち、その美しさを帯や着物で表現してきました。季節に合わせて着物の色柄を楽しみ、床に飾る花や掛け軸で暮らしに四季を取り込む……現代においてもそんな暮らしが提案できればと思っています」と話すのは、SHの生みの親であり、インハウスデザイナーの本田純子氏。自然が描く美しい情景からインスピレーションを得て、季節の移ろいや自然界の光と影、水や空気の流れなどをデザインに生かしている。SHのファブリックを手に取ると何よりも驚かされるのは、人の感性に訴えるように浮かび上がる繊細な図柄と、光によって表情を変化させる奥行き感。本田氏はデザインの原画を水彩絵の具や墨を使って描くが、その柔らかなラインや色の重なり、微妙なにじみやぼかしまでもが見事に再現されているのだ。
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