
(左)創始者ルネ・ラリック。(右)現在でも人気の高いラリックを象徴する芸術性豊かな花器「バコーントゥ」。
2つの時代様式を生きた偉大な芸術家ルネ・ラリック
ブランドの創始者であるルネ・ラリックは、フランスのアール・ヌーヴォーとアール・デコ、両時代様式で活躍した類い稀な工芸家だ。彼はまず、アール・ヌーヴォーの宝飾工芸で“モダン・ジュエリーの先駆者"として活躍。その後、ガラス工芸に転向し、アール・デコの代表的なガラス作家として名声を博することに。1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」のシンボルとなった巨大ガラスの噴水をはじめ、オリエント急行や大西洋横断客船ノルマンディー号の内装など、歴史に残る名作を次々に発表。その名を不動のものにした。日本では、朝香宮邸(現・東京都庭園美術館)の正面玄関を飾る女神像のレリーフがよく知られている。
そしてルネ・ラリックは、さまざまな加工技術を開発するとともに、優れた職人の育成にも力を入れた。クリスタルを溶かす坩堝(るつぼ)作りにも専門の職人をおいたように、どの過程においても徹底的にハンドメイドにこだわった。この姿勢は今日もなお、守り続けられており、グラス1客といえども実に10数人もの職人によって作り上げられるという。ルネ・ラリックの時代から現代まで変わることなく、ラリックらしいクリスタルコレクションが生み出されているのは、高い芸術性を備えたデザインと、それを支える熟練職人の匠の技が支え続けてきたわけだ。
そしてルネ・ラリックは、さまざまな加工技術を開発するとともに、優れた職人の育成にも力を入れた。クリスタルを溶かす坩堝(るつぼ)作りにも専門の職人をおいたように、どの過程においても徹底的にハンドメイドにこだわった。この姿勢は今日もなお、守り続けられており、グラス1客といえども実に10数人もの職人によって作り上げられるという。ルネ・ラリックの時代から現代まで変わることなく、ラリックらしいクリスタルコレクションが生み出されているのは、高い芸術性を備えたデザインと、それを支える熟練職人の匠の技が支え続けてきたわけだ。