
“摘草料理”の哲学
美山荘は、京都郊外の貴船から、さらに山奥へ分け入った花背の地にある料理旅館。近隣の山の幸を取り入れた、見た目も美しい “摘草料理”で名を知られる。その4代目主人をつとめるのが、中東久人氏だ。「私は今回のコラボレーションにおいて、美山荘の料理をベージュ アラン・デュカス 東京に持ち込むつもりはありませんでした。なぜなら、美山荘の料理は花背にあってこそ活きるものですから」。中東氏は、“摘草料理”を、料理の種類ではなく哲学として捉えているという。それは、その土地の文化や自然を熟知し、料理に取りこむというものだ。