
モデルに用いられた「V8ヴァンテージ」はアストン・マーティンのラインナップのなかで最も人気の高い2シータースポーツカー。伝統的なスタイルに最進技術や現代的な洗練を加えた、あくまでリアルなスポーツカーだ。

疾走するアストン・マーティン・ミーツ・アート
名門スポーツカーとアートの共演
創業1914年、英国の高級スポーツカーメーカーであるアストン・マーティン。今年、北京でショールームを開設した同社は、「アストン・マーティン・ミーツ・アート」の一環として中国人アーティスト・秦玉芬(シン・ユーフェン)によるインスタレーションを発表した。「V8ヴァンテージ」を用いた「北京008」という作品は、歴史とともに未来へ疾走するアストン・マーティンの姿と北京が二重映しに表現されている。北京の市街地図が織り込まれたカーペット上に車体が置かれ、頭上には英国の理論物理学者スティーブン・ホーキング博士とおぼしき人物の像が吊るされている。クルマの行き先にある螺旋状のドーム内部には「時間のなかで無秩序は増大する、なぜなら私たちは無秩序が増大する方向で時間を計測しているからだ」というホーキング博士の言葉が書かれている。この難解さは、94年の歴史のなかで生産数わずか2万台という、限られた好事家のためだけに高性能GTカーをつくりあげてきた同社のコンセプトと重なるのかもしれない。