
未知の国へ
来日したのは、友人のシェフ、ジャン・ドラヴェーヌさんに勧められたのがきっかけです。若かったので、冒険心もあり、見知らぬ国へ行ってみたかったんですよ。でも日本についてはほとんど知らなかったので、最初は苦労しました(笑)。刺身が苦手でね。フランスでもタルタルのように生肉を食べますが、香辛料を混ぜるので生臭さはほとんど感じないのです。でも、刺身は醤油とわさびだけで、衝撃的でした。今では刺身も会席もOKですよ。今や日本人も世界中を旅するようになり、積極的に外国の料理を食べるようになったのは、料理人にとって大きなプラスです。昔と違い、フランス料理も身近な存在になっています。それはフランスにも言えることで、30年前、パリのオペラ大通りに初の日本料理店がオープンしたときには好奇の目で見られたものですが、今ではあちこちにオープンしています。文化とはこのように少しずつ違うものを受け入れ、進化していくのでしょうね。