
1985年、日本人の山本氏が「ザ・リッツ・カールトン ワシントンDC」の総料理長に就任したことを告げる新聞。
焼肉店プロデュースのスタート
山本氏がプロデュースした焼肉店「べこ亭」は、東急田園都市線、たまプラーザ駅近くの閑静な住宅街にある。そもそも、なぜ焼肉なのか? という問いに山本氏はこう答えた。「プロジェクトの始まりは、シンエイコーポレーションの小池会長との出会い。彼には飲食店を新規出店する企画があり、私がアドバイザーとして協力することになったのです」。出店場所は、開発が目覚しく富裕層も多いこの地域に決定していたが、業態は未定だった。リサーチを重ねた結果、“高級焼肉店”という答えに行き着く。「焼肉店は飲食店のなかでも人気の高いジャンル。でも、地域住民にふさわしいクオリティの高いサービスと料理を提供する焼肉店はこの辺りになかったんですよ」と山本氏。そこで、飲食のプロフェッショナルである山本氏と、元マンダリン オリエンタル 東京のゲストリレーションズオフィサーで、サービスのプロフェッショナルである中尾哲也氏がタッグを組み、新たな焼肉ダイニングをプロデュースすることになったのである。