
北野謙 高野山の僧侶49人の肖像, ゼラチンシルバープリント
「グローバル」な日本の現代アート
中でも、北野謙氏の「高野山の僧侶49人の肖像」が面白い。同作品は様々な社会的属性の人々の肖像を撮影し、何枚もの肖像のネガを正確に焼き付けて、それらを一つのポートレートに仕上げる「our face」というプロジェクトの一環として制作された。この作品群は人々が抱く、アメリカ、東京など、ある一つの「中央」から同心円を描き内側に向かって均質に人間やイデオロギーが存在してゆく「グローバル」という概念に対するアンチテーゼとなっている。氏は「グローバル」とは個やローカルの集積であると主張しているのである。北野氏以外にも世界的に有名な、澤田知子や森村泰昌らの作品が紹介され、石田氏は訪れた人々の強い反応から、日本の現代アートが世界に通じることを再確認したようだ。これを機に、今後の日本現代アートのフィールドがさらに広がっていくのは間違いないだろう。
MEM TEL06-6231-0337
http://www.mem-inc.jp
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