世界の贅沢、NILEの贅沢

急斜面の森を抜けて走る市電のような登山電車。 KLASの最寄り駅はレザンフェイデイだ。

時代背景や社会事情は異なるものの、集団生活によって育まれる人間形成という教育形態は、KLASのそれと重複する部分が少なくない。スイスという、物理的に親元から隔たった環境下、炊事を除いたすべての授業外活動と生活を自らの責任の下に行い、身の周りにおこるあらゆる難題を仲間たちとともに乗り越えてゆく。その過程で生徒たちは協調性や他の尊重といった人間としての根本命題と常に対峙し、それらを身につけてゆくのだ。難局との対峙回避への偏向や、受験一辺倒の価値規範といった、今日的な社会病理として懸念されている傾向とは一切無縁の環境だ。
　「実のところ、全寮制という教育形態の重要性は、開校後の実際を通じて認識を深めていった」（渡邉校長）と、現場の最高責任者が語るほど、机上論では予測できない、実に様々な人間的な成長をもたらすのが全寮制の教育である。将来の日本へ向けてスイス・レザンから発するメッセージ、その壮大な序章はさらに続く。

○スイス公文学園日本事務局
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