
「室内、ストランゲーゼ30番地」1901年 ハノーファー、ニーダーザクセン州博物館
Photo (c)Ursula Bohnhorst
Photo (c)Ursula Bohnhorst
とらえどころのない奇妙な画面構成
1864年、コペンハーゲンに生まれたハンマースホイ
は、同市の美術アカデミーで学んだ後、美術同志と分
離派を設立し、革新的な画家として知られていた。彼
は印象派のような技法で多くの室内画を描き、その表
現方法・対象は終生変化しなかった。モノクローム調
の色遣いで描かれた室内にはどこか違和感があり、そ
れが独特の印象を醸し出している。
例えば「室内、ストランゲーゼ30番地」は、ピアノの 前に椅子がなく、さらにはピアノを弾くのを禁じるか のようにテーブルが置かれている。そして脚が描かれ ていないピアノはまるで宙に浮いているようだ。
あえて画中の均衡を崩し、鑑賞者に漠然とした不安 を感じさせる「奇妙な画面構成」は、彼の作品を読み解 く一つの鍵になるのだ。
例えば「室内、ストランゲーゼ30番地」は、ピアノの 前に椅子がなく、さらにはピアノを弾くのを禁じるか のようにテーブルが置かれている。そして脚が描かれ ていないピアノはまるで宙に浮いているようだ。
あえて画中の均衡を崩し、鑑賞者に漠然とした不安 を感じさせる「奇妙な画面構成」は、彼の作品を読み解 く一つの鍵になるのだ。