
イギリスの貴族階級に大きな影響力を持っていたベッドフォード公爵夫人。館があるイングランドのベッドフォード地方には、今なお美しい景観が残されている。
アフタヌーンティーの
すすめ
すすめ
Photo Keijirou Katada
公爵夫人のウィットが生んだ習慣
アフタヌーンティーの発祥はヴィクトリア女王時代の19世紀半ば頃、7代目ベッドフォード公爵夫人が始めたも
のといわれる。当時イギリスでは、食事は朝と夜の2回が習慣で、それも朝食は朝早く、夕食は遅めの9時頃から
始められていた。夕食まで飲まず食わずのためにいつも空腹に悩んでいた公爵夫人は、午後4時頃にパンと紅茶
をつまむことを思いつく。最初は一人でこっそりと楽しんでいたのが、そのうち自邸に友人たちを招いて、紅茶
と軽食をつまみながらおしゃべりをするティーパーティを催すようになった。彼女はテーブルに紅茶、パンと
バター、ケーキ、ビスケット、ワインやシャンパンなどを並べ、美しい茶器を優美に扱い、ウィットに富んだ会話
をおりまぜながら客人たちをもてなしたという。この魅力的なアイデアに感銘を受けた彼女の取り巻きたち
が、公爵夫人をまねて、それぞれに趣向を凝らしたパーティを開くようになり、アフタヌーンティーの習慣が上
流階級に広まったのである。