

(上)ジャン・ヌーベルを世に出すきっかけとなったカルティエ現代美術財団。(C) Jean Nouvel Photo : Philippe Ruault (下)セザールのポートレート。
自由の下に生まれるアート
セザールは、古典的な系列の彫刻と同時に、脱構築された彫刻を讃えた。前進の巨匠達の軌跡に我も組み込むことを目指しながら、過去との断絶の手法を発明した。想像以上に複雑な性格をもつ彼の大規模な回顧展は、没後10年間、皆無だった。カルティエ現代美術財団の創立者、アラン・ドミニク・ペランは、セザールの遺言執行人であもり、彼の臨終時に既に、この10年後のオマージュ展を誓ったと言う。「ジャン・ヌーベルには、無名の時から仕事を任せ、財団の建築まで導きました。設立したばかりの同財団が仮所在していたジュイ・アン・ジョザの地に私を導いたのは、セザールでした。我々3人は真の友であり、どれほどの感情と友情が我々の間に存在しているか、展覧会を通して感じてもらえれば。」「セザールは、アトリエではなく屋外に、自由に在所するアーティスト。そして私は、アーティストが自由の下に表現活動を行う為に、この財団を創立したのです。」


(上)ジャン・ヌーベル。Jean Nouvel Photo (C) Gaston (右下)セザールの代表的な《圧縮》シリーズの作品、『Giallo Naxos 594, 1998』Courtesy: Cesar Administration / Stephanie Buzutil (C)Cesar (C)Adagp, Paris 2008