
レンゾ・ピアノが設計した新棟は、大部分がガラスの壁で構成され、階段が無く、外から光を取り入れることができる構造。壁と階段が多くて暗いこれまでの美術館・博物館のイメージから大きくかけ離れている。
大きな一枚の屋根が担うサステナブル環境戦略
レンゾ・ピアノはまず、長方形平面の一枚の大屋根で、全体を覆うことで現代科学の諸ジャンルの空間的・機能的統合を図った。建築面積・約11,000㎡、延べ床面積・約3,4000㎡という巨大な建築を単一のボリュームにまとめることで、外部の表面積を小さくし、内外の熱交換を抑えている。この事はサステナブルな環境を構成する上で重要な要素といえるだろう。また外表面の大部分を占める屋根は、全面にわたって緑化断熱が施され、なだらかな起伏を伝って集められた雨水を内部の中水として利用している。屋根の中心部には、幾何学的に配置されたレンズ状の凹部があり、トップライトとして外部から施設内部に日差しを届ける役割をしている。
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