
横川潤 某大手ファミレス経営者を父に持つ。慶応大学大学院修士課程修了、NY大にてMBA取得。現在は文教大
学潤教授として「フードサービス・マーケティング論」を担当する。アメリカの「ザガットサーベイ」を翻訳して初
めて日本に紹介した他、「レストランで覗いた ニューヨーク万華鏡」など著書多数。
食とは驚きと発見の積み重ねである
自分にとって食事の時間は、一日の嫌なことをすべて
忘れられる時。あー生きてて良かった、と心から思える
時ですね。お腹はどうしたって必ず減るものだし、食
べることは生きることのおおもと。どうせ食べるなら、
美味しいものを食べたいですからね。それに何より、
食べることとは毎回発見なんですよ。新しく出来た店
で食事をする、それだけでも未知なる世界が開けて刺
激される。とにかく食べることは飽きることがないし、
こうした驚きや発見を積み重ねていくとですね、小宇
宙が見えてくるんですよ。食という一つの世界が開け
てくるんです。知れば知るほどにますますはまってい
く、何とも奥深い世界だと思います。客観的な評価を
心がけることは当然ですが、「味」は最終的に主観の問
題なんです。自分のスタンスをはっきりと打ち出しな
がら、食について語っていきたいですね。