

“究極の美”に出会ってしまった
「他に類を見ない、ショパールの優れた芸術性をお伝えしたい。そう考えたとき、盆栽と漆が思い浮かんだので
す」。そう語る高橋氏の趣味は、盆栽である。多忙をきわめる高橋氏が盆栽と触れ合うことのできる時間は、一日
でわずか15分。しかし、水をやりながら松の葉や枝に触れる、そのひと時があるからこそ、心身のバランスがと
れているのではないかと高橋氏は言う。そんな氏と盆栽との出会いは2年前だ。「樹齢約300年の五葉松の盆栽で
したが、究極の美と感じました。そぎ落とした末に生まれた幽玄の美というのか、派手ではないが圧倒的な存在
感がある。それは、松に悠久の時が宿っていることもあるでしょう。さらに、職人たちの卓越した技が形になっ
たものとも言える。その姿に、ただただ、敬服するしかありませんでした」。