
なべ家 東京都豊島区南大塚1-51-14 03-3941-2868
Photo Michi Murakami
新たな境地へ導かれた瞬間、しびれる
大谷「僕は、最近なら今年の春に行ったパリ14区の“ル・
スブロ”。そこは牛を半頭買いして、自分のところで5週
間熟成させて出すの。ワインもすごい品揃えで。ステ
ーキは世の中にたくさんあるけど、5週間熟成させて、
赤味が最高に美味しくなるタイミングで食べさせる、
それは僕の考えになかったことで。こんな風に、自分の
想像力をきれいに裏切ってくれることが僕にとって最
大の楽しみですね。久々に“なべ家”に行った時も、出さ
れたお椀がカツオ出汁にちぎった海苔だけで。これも
アッと思いましたね。ものすごく海苔が軽くて、口に残
らない。新海苔の季節なんだなぁと、しみじみ感じたり
して。牛肉も海苔も当たり前のものだけど、当たり前の
ものを、自分が知らない角度から照らし出されるとす
ごく興奮します」
浅妻「しかも、これはすごいだろう、みたいに出さない。 それがいいですよね」
大谷「僕はすごく貴重とか、高いとかの素材ばかりを 追いかけるのは嫌い。誰もが知っているもので、パッと 違う世界を見せてくれるとしびれる。作り手の美学を 感じられることが最高の基準かな」
浅妻「しかも、これはすごいだろう、みたいに出さない。 それがいいですよね」
大谷「僕はすごく貴重とか、高いとかの素材ばかりを 追いかけるのは嫌い。誰もが知っているもので、パッと 違う世界を見せてくれるとしびれる。作り手の美学を 感じられることが最高の基準かな」