
過去の扉を開けるワインという魔法の鍵
ここで、伊藤氏のこだわりの1本をあげてもらった。「美術品に値するワインを置きたい、そんな思いからフランスに渡り探し当てた1919年のヴィンテージ。ワインやシャンパンを常時700種揃えるハニーズガーデン東京の顔といえる “こだわりの一本”です。ワインリストを作るとき『お客様のお祖父様やお祖母様の生まれた年のワインから揃えたい』という気持ちがありました。それもあって、1919年のワインを2本用意したのです。1918年に第一次世界大戦が終結し、ヨーロッパが復興ムードに包まれる中で生まれた幸福感の詰まったワインは、長い熟成の期間を経て現代にも素敵な幸せを運んで来てくれました。一本は、まさにこの年に生まれた方のお祝いに飲んでいただきました。30代のご夫婦がこのワインをご覧になって『お祖父さまの生まれた年のワインだから、ぜひ一緒に飲みたい』とお祖父様とご来店。テーブルは、お祖父様とワインが生きてきた時代の話でもちきり。思い出に残る夜を過ごしていただきました」。
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