
Picasso et Les Maîtres ピカソと巨匠展
Text Yukino Kano
ピカソの目が見た、巨匠たちの作品
生涯にわたり、絵画からセラミックにいたるまで、精力的に創作活動を行ってきた、スペインの巨匠、パブロ・ピカソ。アカデミックからキュビズムまで、様々な手法を自由自在に操り、膨大な作品を生み出してきたが、中でも、他の画家の傑作をピカソなりに再解釈した、“ヴァリアシヨン(変奏)”と呼ばれる作品群は有名だ。ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」、ゴヤの「裸のマヤ」などを、自分なりに分解、そして再構築させたこれらの作品群を、その対象となったオリジナル作品とともに並べた展覧会、『Picasso et Les Maîtres(ピカソと巨匠たち)』が、パリのグラン・パレ・ナショナル・ギャラリーでこの秋から冬にかけて開催。世界中から集められた、ピカソと、彼の模倣の対象となったグレコ、ゴヤ、アングル、ドラクロワ、マネ、セザンヌ、ルノワールら巨匠の作品200点あまりを展示する。

マネの「挨拶するマタドール」(1866-1867)とピカソの「エル・マタドル」(1970)。同じ闘牛士を模倣しつつ、ピカソは、独自の世界観を表現し、新たな作品を誕生させた。闘牛士のヴァリアシヨンは他にも数点展示されている。