世代を越え世界が認める本物のジュエラー
創業者のアンジェロ・ジョルジョ氏がこの世にうまれたのが1908年。数々の美術品に囲まれた豪奢な居城で幼少期を過ごすも、1917年のロシア革命により生活が一変。アンジェロは手に職をつけるために、15歳で宝飾の修行を始めるのだった。そして、1929年にトレビの泉近くに最初のアトリエをオープン。金を何層にも重ね合わせて彫りを施す技法など、独自の技術を次々に確立していった。その評判は上流階級の間で広まり、1940年代にはイギリス王室から注文を受けるまでに。アンジェロの芸術性、技術へのこだわりは、息子のパオロ・カッツァニーガが継承。イタリアのジュエラーとして唯一「ロシア国立美術館」に作品が展示されるなど、世界中から賞賛を浴びるまでに発展した。あらゆる栄光を与えられながらも、限られた顧客のみを扱うクラシックなスタイルを貫くローマ本店のサロン。頑なに伝統と格式を守る姿勢こそが世代を超え、世界に認められている所以なのだ。




(上左)アンジェロが幼少期を過ごしたアバメリック公爵家の居城。(上右)1929年にオープンした最初のアトリエ。(下左)イタリアのジュエラーで唯一展示が許された「ロシア国立美術館」。(下右)前教皇に献上した聖杯(ヴァチカン美術館所蔵)。