
自然と見事に融合したバワの建築。


自然との一体感。これが、バワの作品の真骨頂だ。一見、無機質とも思えるほどシャープな直線的
デザインを用いながら、その土地が持つ自然、地形を最大限にいかした建物を創りあげる。それゆ
え、バワの建築では、正式な図面は建築物が完成して、初めて作成されるという。現場での作業の
中で、建築プランができあがっていくのだ。バワの作品は、「建築が体験」であることを教えてくれ
る。バワは純粋なシンハラ人ではなく、イギリス、ドイツ、スコットランドなど、ヨーロッパの血を
ひく裕福な家庭に生まれた。また、1946年には、1年半をかけ、世界中を旅している。インターナショ
ナルな血と経験が、常識にとらわれない彼の作品に与えた影響は少なくない。バワの建築は、自由
奔放な彼の人生観そのものだ。